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2016年11月17日 (木)

HKS EVC

今日はブーストコントローラーについて僕の見解を書きますね。

EVOはノーマルがソレノイドを使った分圧方式のブーストコントロールをしているので、

アクチュエーターの圧力は約0.7キロです。

歴代のモデルによって値は違いますが1.0~1.6キロ位までECUでコントロールしています。純正の制御では立ち上がりの部分だけブーストを高めにしてトルクを稼ぎ、高回転はブーストが高いとパワーが出すぎてしまうので、ソレノイドのデューティー比を抑えてブーストが低くなるようにしています。

このようにブーストを低めにしてもパワーが出るような状態で販売されているので、余力が大きくチューニングのコスパが良い車として人気があるのです。

昔に比べるとだいぶ良くなりましたが、ソレノイド制御の場合は負荷のかかり具合や回転スピード上昇の速さに上手く対応しきれない事が起こります。これはアクチュエーターの圧力0.7キロに対して目標ブーストが1.5キロと高くなってくると、分圧制御のバイパス量が増えてしまいソレノイドの流量が少ないと開弁率が100%になっても足りなくなるからです。そこで、ソレノイドのオリフィスを抜くともう少し頑張るのですが、やはりブーストコントローラーの方が便利ですよね....という事になり、ブーストコントローラーを取り付けるわけですが、HKS EVC・BLITZ SBC・TRUST PROFEC 等が一般的でした。

HKS EVCはステップモーターを使用した機構が画期的でしたがモーターにブローバイのオイルが混入すると直ぐにモーターが故障するのにクレームや補償は無くお客様に負担を強いられるので、僕は率先して売っていませんでした。

TRUSTのPROFECはシングルソレノイドで安定もいまいちでしたが、価格の安さでそこそこの人気がありました。シルビアのようにブーストアップで1.2くらいまでしか掛けない車両によく使っていましたね。

BLITZのD-SBCはツインソレノイドで容量があり、価格もそこそこ安くてコラムの上にメータ代わりに装着できて、ワーニング機能が減量値の設定もできて優れ物でしたから、EVOⅨまでは定番のように取り付けしていました。

HKS EVCにはEVC Proというモデルがありましたが、車速やスロットル開度でブーストを制御できる素晴らしい機能が付いていて、ドラッグの車には必需品でした。

1速のスタート時はブーストを下げ気味にしてホイールスピンを抑え、2速3速と車速が上がると徐々にブーストを上げていくといった制御ができる当時は画期的なブーコンでした。

EVCでもこればかりはゼロヨンフリークに勧めていました。

その後、EVCはモデルチェンジをして、EVCⅣとなり全く魅力のない高いだけのブーコンになってしまいましたので、お客様の指名買い以外売る事はありませんでした。


その後、4年ぐらい経ってからEVCⅤが3次元マップ制御を引っ提げてデビューするわけですが、これは本当に絶妙なタイミングでした。

正直、CPやCTにはそれほど必要ではありませんが、CZには必須と言ってもよいくらい3次元マップ制御は有効です。

これも純正ECUでブーストカットやエアフロのリミットを変更できるかどうかが、分かれ道でした。

EVOⅩの発売当初は排気効率を上げるとブーストが上がり、エアフロのチェックが点灯するという事態が起こるので、ノーマルよりも低回転でブーストが掛からないようにしなくてはいけないという話が広がりました。
 

そこで、HKSが考えたのはノーマルよりも柔らかいアクチュエーターでした。

イニシャルのブーストを下げることによって、

オーバーシュートを抑え排気系を換えてもチェック点灯しないようにしようとしました。

(このアクチュエーターは強化アクチュエーターとして営業サイドは販売していたので、色々とトラブった後に開発から「柔らかい」事実を聞いたときはショッキングでしたよ)

排気系も、効率が良すぎるとブーストが上がりすぎるので、あえてノーマルと効率の変わらないマフラーやキャタライザーをリリースしていました。

新車発売当時は量販店でみんな挙って買っていましたね....

少し経ってから、EVCⅤEVOⅩ専用モデルが発売になりました。

これは、制御マップの減算量を従来のモデルよりも多く設定できるようにしただけなのですが、EVCを取り付けてECUがノーマルの場合はハーフスロットルでブーストが掛かりにくくしないとチェックランプが点灯するのを防止するための苦肉の策です(笑)

どうでしょう?
抜けの悪いマフラー
キャタライザー
スプリングの弱いアクチュエーター
ブーストの掛の悪いブーストコントローラー

部品は交換したり取り付けたりしているのに
デチューンです。

しかし、新型車発売直後の一番おいしい時期に商品を開発して売らないとメーカーは成り立ちませんから、苦労したでしょうね。

全てパワーアップする方向の物を販売すればチェック点灯によるクレームの嵐で、大手量販店から責め立てられていたのは間違いないでしょうから...
当時は自社にそれを解決する術がありませんでしたからね。

G-FORCEはECUTEKによって根本的な部分を書き換えて回避できたので、わざと効率が悪くなるものを使用する必要がありませんでした。

お客さんは「EVOⅩ専用モデルが欲しい」と騒ぎますが、無駄な事を説明しましたね....

当時はまだFLASH EDITORが無かったので仕方がありませんでした。

ユーザーも競って商品を取り付けてSNSで自慢しまくっていましたからね...


そんな僕から見ると邪道ともいえるEVCの使い方ではない本来の使い方は、
オーバーシュートを控えめにして高回転で垂れるブーストをキープした状態にする事です。

このような使い方は残念ながらBLITZでもTRUSTでもできません(正確には満足できる制御ができない)。

EVOⅩにはEVCしかないんです(安い奴はだめですよ)!

装着率はものすごく高いです。

たまに他のブーコンが付いた車のセッティングをする機会がありますが、
ダイナパック上ではブーストの垂れをいくら頑張っても回避する事が出来ず...
実走では全く違うブースト値になるという、何ともマッチングの悪い状態でイライラします。

タービンをボールベアリングに変えると、恐ろしいほどのハンチングが起きる事もあるので、最近はCP、CTにもEVC6をお勧めしています。

日本ではEVCがブーストコントローラーの代名詞となっているくらいメジャーな商品ですね。


一方、北米では全く人気がありません(笑)

3方ソレノイドや大容量ソレノイドを使用して、アクセスポートなどでECUのデューティー比を変更してブーストをコントロールしています。安定や立ち上がりなどはEVCには敵いませんが、安上がりだというのが理由のようです。

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HKSのページはこちら

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純正の制御の方が何かあった際にはブーストを下げたり(アクチュエータ圧以下にはならないけどね)、点火や燃料の制御をするので、安全なんだけど....


高回転で稼ぐ為にはEVC6が必須です!

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